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【緊張して弾けない!】ピアノを本番でいつも通りに弾けるために|コンクールを振り返る

年始にコンクールがありました。コロナの影響で2020年は本選も直前で中止になり、本当に久しぶりにコンクールというステージで演奏しました。ステージ上での演奏について、また、その準備において、改めて必要だと感じたことを書いています。

ポイント

本番に向けての「準備」と、本番での緊張する「経験」をたくさんしよう。

 

ピアノをステージの上で演奏する意味は?

一言で言うと、「経験」を得られるということに意味があります。

誰でも、家族以外の人に見られながら何かを披露するのはとても緊張するものです。こどもさんはこれからどんな分野においても「本番」にはずっと付き合っていかなくてはいけないですよね。身近なところでは受験もそうですし、就職の面接、資格等の試験、プレゼンテーションなど、大人になってからもずっと続きますね。

こどもさんのピアノの練習の中では、本番での演奏と言えば、発表会、グレードテスト、コンクールなどでしょうか。

グレードテストはステージでの演奏ではないですが、他人の前で審査されながら緊張とともに演奏するという意味では十分本番ですね。特にコンクールは、ステージで演奏する上に、曖昧な準備では結果を生むのは難しいので非常に緊張感があります。

 

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本番で力を発揮するために、自分に必要な事は何かを考えてしっかりと準備する大切さを、たくさん経験してもらいたいです。尚且つ、ピアノ以外でも今後味わう「いざという時」に、それらの経験を役立ててもらえたら嬉しいです。

 

緊張しないための練習って?

本番で全く緊張しないなんて稀です。でも、緊張していてもいつも通りに近い演奏をするために、しっかり準備しておくことで乗り切れる部分はたくさんあると思っています。私は、曲頭から終わりまで、曖昧な部分をとことん潰しておくようにしています。

全部を準備の段階で決めてしまっていれば、決まっている内容を再現するだけに集中できます。

 

日ごろの練習で気をつけておくと良いこと

楽譜の指示をしっかり見る

楽譜の指示は細かく、見間違いのないようにきちんと再現する必要があります。特にコンクールにおいては、審査員の先生は曲を隅々まで分析して把握しているので、自分なりの表現をする前に、楽譜の指示に沿った演奏でなければなりません。

私が日ごろの練習やレッスンで心掛けている内容は下記の通りです。

  • 題名(タイトル)の内容に沿った演奏かどうか?
  • 拍子はどうか?
  • アーティキュレーションや強弱は正確か?
  • 記号は正しく見れているか?
  • 一つ一つの音が、曲に合った予定通りな音であること
  • それぞれのフレーズ、全体の構成はどうか?

不自然な演奏にならないように、違和感を感じさせないように気をつけて、一曲を完成させるように心掛けています。

 

題名(タイトル)を意識した演奏

こどもさんの演奏する曲には、題名のついているものがたくさんあります。

題名から感じられる雰囲気をつぶさないように演奏します。題名が明るいのか暗いのか、独りぼっちなのか、走っているのか座っているのか、晴れてるのか雨なのかなど、題名から想像できるイメージを再現するように心掛けると、聴いている人に自然な感じが伝わります。

 

拍子はどうか?

音楽は、たくさんのならんだ音でできています。ならんだ音のかたまりは一定の区切りを持っていて、それを周期的に繰り返しています。

拍子についてはこちらの記事に詳しく書いていますのでよかったらご覧ください。

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参考ソルフェージュ教材のご紹介

導入期、幼児期のこどもさんにレッスンで使用するソルフェージュ教材をご紹介します。音楽表現に大切な拍感覚と拍子感を学ぶ事ができます。ダラダラした音楽に聴こえないために重要な要素です。

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一つ一つの音がどんな重さを持っているのか、どの区切りで繰り返されているのかを自然に感じられる演奏が、聴いていて心地よいです。

 

アーティキュレーションと強弱

作曲家の指示には作曲家の思いがあるので、指示がどの音からどこまでなのかをよく見て正確に再現するようにしています。

 

一つ一つの音が、曲に合った音か?全体の構成はどうか?

  • 拍子のイメージに合った音か?
  • 調性はどうか?
  • ハーモニーを感じられているかどうか?
  • 曲全体を一つのストーリーのように想像できるか?

8分の3拍子なのに、あまりにゆっくり弾くのもどうかと思いますし、短調(マイナースケール)の曲なのに、あまりに元気に弾き始めるのはやっぱり違和感がありますよね。途中で転調(曲の雰囲気が変化)している場合は、調に見合ったイメージを大切に表現できるようにしています。曲の中での様々な変化に生徒さん自身が気付けるように、注意を向ける事ができるようになってもらいたいと思っています。

 

曲に取り組み始めた時は、楽譜をよく見て弾いているのですが、だんだん慣れてくると自分の勝手なイメージが加わり、自由に弾いてしまうようになってくる事もあります。本番の何か月も前に曲が弾けるようになってきたら、一旦練習を中止し、間をおいてからもう一度分解して完成させると、以前は気付かなかった作曲家の意図に気づく事もあり、新しい気持ちで弾くことができます。

 

暗譜について

暗譜って本当に難しいし、いつまでも不安ですよね。

片手での練習は、いつまでも、両手で弾けてもかならずやっておくといいです。ハーモニー(左手から右手まで楽譜上の縦のライン)のそれぞれの部分がどんな音で構成されているかをきちんと把握しておくと、緊張しても忘れにくいように思います。

一度両手で弾けるようになった曲を片手でもう一度ゆっくり練習する事は、こどもさんにとっては案外難しいものです。「せっかく弾けるようになったのになんでまた片手?」って、きっと思っていると思います(笑)。でも、弾けると思っていたのに片手で練習しだした途端に、音が分からなくなって先に進めない事は本当によくあることです。

右手だけ、左手だけでも安全に確実に弾けるように練習しておくと、緊張した時に急に音が分からなくなることを防ぐことができます。暗譜のコツの一つです。

暗譜については、私は個人的に本当に苦労しているので、また改めてゆっくり書きたいなあと思います。

 

本番直前にしておくとよいこと

本番前一週間は、むやみ曲頭から通して弾くことはしないようにしています。理由は、本番直前に弾けない場所が見つかると、緊張するからです。

そんな本番の直前に弾けない場所が出てこないように、もっとずっと前に見つけて潰しておくようにしています。

通して弾くよりも、曲をフレーズごとに分けて場面をつくり、場面ごとに確認するという練習をたくさんするようにしています。ゆっくり拍子がくずれないようにカウントしながら片手で練習したりします。

それと同時に、いいイメージを焼き付けるために、上手に弾けたときの録音を常に聴くようにしています。本番前にも(会場のロビーなどで)できる限りずっとイヤホンで聴いています。

 

まとめ|緊張してもいつものように弾けるために

今回のコンクールで、本番を踏むという事はこれだけの準備が必要なんだと改めて感じました。今回のコンクールで改めて感じた事を、自分自身のためにも忘れないように記載しました。

結果、成績如何に関わらず、いざという時のために準備しておく大切さと、本番できちんと表現できたという自信を経験してもらえたらうれしいです。

 

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